システムトレードを自作したり、購入する際にも勝率は非常に気になります。
やはり勝率は高い方が好まれます。
誰でも損をするのは嫌ですし、出来れば負けることなく利益を得たいですから。
しかし、トレードで100%勝つのは不可能ですし、100%勝つ必要もありません。
トータルでプラスに持っていくことが大事ですので、負ける事はある意味必要経費と言えるでしょう。
では、システムトレードを行う際に、どの程度の勝率があれば良いのでしょうか?
利益の出せる勝率をシュミレーションで確認してみた
EXCELで乱数を発生させ、任意の勝率に出来るように関数を組んで、どの程度の勝率で有れば勝ち続ける事が出来るのかシュミレーションで確認しました。
利益と損失の比であるペイオフレシオ(PR)は低めに1.0としてシュミレーションしました。
勝率50%の場合
まず、勝率50%の場合の損益累積曲線を発生させると下記のようになります。
全く利益が出ていません。27年間トレードして±0です(当たり前ですが)。
この場合の評価値も下表に示します。
シャープレシオがすごく低いですね。PFが1.0なのは当たり前ですね。
では勝率が1%増えるとどうでしょうか?
勝率51%の場合
勝率が51%の場合の累積損益、評価表は下記です。
わずか1%ですが、損益曲線は右肩上がりになっています。
但し、マイナスの年や利益の出ない年も多そうですね。
シャープレシオも0.02以下と非常に低いです。
この勝率ではトレードするのは無理でしょう。
しかし、1%でも勝率が上がるだけでかなり損益の出方が変わることは理解できると思います。
ではもう1%上げてみます。
勝率52%の場合
50%から、わずか2%上げただけですが、かなり右肩上がりになっています。
これだとトレードも可能なレベルになって来ていますね。
但し、年単位では負ける年も多そうです。
もう少し勝率が欲しいですね。
勝率53%の場合
かなり綺麗な右肩上がりです。
シャープレシオも0.06近くなり、かなり上がって来ています。
あと一息欲しい所ですが、システム単体としては十分なレベルでしょう。
勝率54%の場合
綺麗な右肩上がりのグラフです!
負けている年も27年間で2年くらいです。
これなら十分にトレードの継続が可能でしょう。
勝率が54%有れば十分に継続した利益の確保が出来ることが分かります。
まとめ
今回は勝ち負けを完全に1:1でシュミレーションしていますので、実際にはもう少し異なってくると思います。
また確率は一時的には偏るので、54%の確率なら10連敗くらいは喫してしまう場合も有るでしょう。
しかし、長期的にみると54%の勝率が有れば十分にトレードを継続し、利益を得る事が可能であることが分かります。
闇雲に高い勝率(60%や70%など)を求める必要はありません。
特にシステムトレードでは、実際にそこまで高い勝率を得ることは不可能です。
もちろん、バックテストで最適化すれば可能ですが、実トレードで悲惨な目にあいます。
単純なパターン分析でも、勝率53~54%の勝率は出すことが可能です。
単純なルールほど再現性が高いですので、勝てる確率は高まります。
単純なルールのシステムを幾つかまとめてポートフォリオを組むことで、更に勝率を上げられ負けにくくなります。
あまり高勝率を追い求めるとドツボにはまったり、騙されたりしますので、注意してください(ブログ主も経験あり)。
ご参考にしてください。