前回では、ドル円の底値を100円と想定し、ナンピン戦略を検証してみました。買い下がったポジションを利食い価格になるまでホールドするシュミレーションでしたが、含み益をじっと我慢するのはかなり難しいです。そこで今流行りのトラリピ的に少し上がれば利食いする方法ならどうなるのでしょうか。
・買いの最低価格:100円
・買いの最高価格:112円
・損切り価格:97円
・買いの間隔:1円毎
・利食い値幅:1円
・取引通貨量:1万通貨
この条件で1年間トレードを行い、1年間の値幅が100円から112円で納まった場合の利益は、おおよそですが、年間30万円から50万円くらいです。
但し、112円以上まで上がった場合は利食いできませんし、損切りにかかった場合の損失は117万円です。
トラリピの様なナンピンタイプのトレード手法で、損切りを行う前提でトレードするのは非常に分が悪いことがわかります。やはり絶対に損切りしない設定で長期間トレードを行う事が重要です。
つまり勝率100%を目指すべきです。
よくFXでトラリピ的な手法のトレードについて、「勝率100%です!」と謳っている宣伝がありますが、当たり前です。なぜなら一度でも負けると、今までの利益が吹っ飛ぶほど損失が出るからです。
そのためには、これまで述べたように、最安値の設定を間違わないように行うことがとても重要です。
ではどうすれば良いのでしょうか?
結局、設定した最安値(底値)に現時点で最も近く、今後少し下がることがあっても、長期的に上昇すると予測できる銘柄についてナンピン手法を行えば良いことがわかります。
最安値も中途半端に設定してしまうと、予想外の暴落が起こった際には、大きな損切りをしなくてはならなくなりますので、最安値の設定も重要です。
歴史的最安値に設定するのが一番良いですが、ファンダメンタル的にもテクニカル的にも、かなりの確率で底を割らない価格を最安値に設定すべきでしょう。
また一時的に下落しても、長期的には上昇すると考えられる銘柄についてのみナンピン手法を行うべきでしょう。
とにかく銘柄の選定については、十分に検討して決めるべきでしょう。
少しでも心配な銘柄についてはナンピン戦略は諦めるようにしましょう。
また、ナンピン戦略での勝つ確率を上げるためには、出来る限り設定した最安値に引き付けてからトレードを開始するようにしましょう。
底値に近い所から買い下がることで、万が一底値を割った時でも損失をかなり軽減することが可能です。
この様に十分に計画を立てて行うナンピン手法であれば、負けることを極限まで減らすことが出来ます。