何回かに渡って、ドル円を例にナンピン戦略について検証を行いました。
その結果、
・最安値(底値)に近く、今後上昇が見込める銘柄
を探し、そのような銘柄についてナンピン戦略(トラリピなどの買い下がり戦略を含む)を行う事が良い選択だとわかりました。
このようにナンピン戦略を行うためには、どの様に買い下がるかと言う方法論よりも、よりナンピン戦略に適した銘柄を見つけることが大変重要であることが理解できます。
ではどのようにして、そのような銘柄を探せばよいでしょうか?
ナンピン戦略とは、下がっている時に下がる毎に買い増しを行い、上がっている時に上がる毎に売り増しを行っていく手法です。
つまり基本的に逆張り戦略となります。
この手法で最も問題となるのが、大きなトレンドが発生した場合です。
限りなく下がっている時にナンピン買いを行えば、いずれは資金が尽きて破産してしまいます。
トレンドが発生しやすい銘柄、天井や底が見通せない銘柄では決してやってはいけない理由がこれです。
逆に最も適した銘柄は、天井と底値が明確で、一定範囲内で上下を繰り返す銘柄です。
この条件に最も適合していた有名な銘柄が、商品先物の小豆です。
以下に小豆の最近の月足チャートを例に示します。
北辰物産株式会社からの引用チャートです。
長期に渡って一定の範囲で上下していることが分かります。
小豆の価格が青天井に上がっていくことは有りえず、かと言って安値も限られています。
なのでかなり狭い範囲で上下を繰り返しますのでナンピン売買には非常に好適でした。
但し、現在は出来高が極端に低く、流動性に乏しいので絶対やらないようにしましょう。
このように、長期間に渡って一定範囲について上下を繰り返す銘柄が最も適していると言えます。
銘柄選定さえ誤らなければ、後はタイミングを計り売買を自動的に行う事で、こつこつと利益を上げることが出来ます。
商品先物はすっかり廃れてしまいましたが、最近流行のFXではどうでしょうか?
FXも国の政治的・経済的理由により、ある程度の範囲で高値と安値が決まってきます。特に先進国通貨は比較的安定して一定範囲を上下します。
この様な理由から、FXのナンピン戦略は非常に有効で、ナンピン戦略を利用した自動売買(トラリピなど)も流行しています。
但し、気を付けなければならない点は、FXでは商品先物より上下の幅が広く、トレンドも発生しやすいことです。
FXはトレンド3割・レンジ7割と言われ、レンジ期間は長いのですが、一旦トレンドに入ると大きく動くことも有り注意が必要です。
FXで酷い目に合わないためには、
・長期間(20~30年程度)の値動きを確認する。
・ファンダメンタルも含めて現状の経済状況を考慮する。
・現状が過去の最安値に近いか、最高値に近いか認識する。
などが必要です。
底値が割れることがあっても窮地に陥らないように、ありえない価格まで想定することが重要でしょう。
次回から、現在の経済状況を鑑みながら銘柄選定を行ってみたいと思います。