レンジ相場を形成しやすいFXで、かなり有効な手法である「ナンピン戦略」ですが、仕掛けるにあたっては十分な資金管理が必要です。

できれば最安値に近い所で仕掛けたいですが、最近はクロス円全般で円安が進んでいてなかなか仕掛けどころが無いです。

そんな中、新興国通貨のトルコリラ円の下落が、最近はかなり大きくなっているので検証を行いました。

トルコリラ円最安値を更新、今後の予想と対応

今回はトルコリラ円と共に新興国通貨で高金利が人気の、南アフリカランド円について、ナンピン戦略の有効性について検討してみたいと思います。

 



南アフリカの現状

 

南アフリカ共和国はアフリカ最大の経済大国であり、サハラ砂漠以南のアフリカ全域のGDPでは約27%を占める。

またアフリカでも数少ない複数政党制が機能している民主主義国家である。

経済は、リーマンショックの影響のあった2009年を除きプラス成長を維持している。

そして金や白金などの鉱工業が盛んなことも有り、世界的に好景気な時には、資源価格も上昇するので、南アフリカ経済も好調になる傾向にある。

一方で、経常収支は赤字が続いており、消費者物価指数も4%~10%(最近は5%前後)と比較的高く、消費者物価指数の上下に合わせて政策金利も動いています。

南アフリカの政策金利の推移が下記です。

リーマンショック前は10%程度でしたが、リーマンショック後は6%前後で推移しています。

先進国と比較して非常に高金利です。

経常収支赤字、消費者物価指数(インフレ率)が高く、政策金利が高いという新興国通貨特有の条件が揃っています。

高金利の新興国通貨は長期的に下落する、という法則は当てはまるでしょう。

 

南アフリカランドの推移

 

まず、米ドル円と南アフリカランドとの通貨ペアの推移を月足チャートで確認します。

ヒロセ通商からの引用です。

長期的に右肩上がり(南アフリカランド安)になっています。

但し、一方的に上がる訳でなく、レンジになっている期間も長いです。

2011年以降は南アフリカランド安が進んでいる様です。

では南アフリカランド円の推移を確認します。

下記が月足チャートです。

対円でも長期的には下落傾向にあります。

但し、レンジ相場が長い傾向にもあります。

リーマンショックで大きく下落していますが、下落後は8.5円付近でサポート(青線)されて、7年近くレンジ相場を形成していました。

2016年にそのラインを突破し下落していますが、今度は6.5円付近でサポート(赤線)されています。上値は今までのサポート線であった8.5円付近で抑えられている感じです。

今後はこのレンジ内でのトレードを考慮することになると思います。

 

南アフリカランド円のナンピン戦略

 

現状のレンジ範囲が6.5円~8.5円となっていますので、当面はこのレンジ範囲でのトレードを想定することとなります。

すなわち、6.5円に近付けば買いを入れ、スワップを貰いながら上昇を待ち、8.5円付近までで利食いを行う戦術です。

損切りラインは6.5円から6円程度に考えてリスク管理を行う事になるでしょう。

現状(2017年11月中旬時点)が8.03円付近なので、残念ながら若干高値にありますので、現状は様子見か少ないポジションで損益を見ていくことになるかと思います。

下がる毎に少しづつ買いを入れ(この辺りは手持ち資金との兼ね合いになります)、6.5円に近付けば多めに買い、6円を割れば損切りを入れていく感じでしょうか。

6.5円のサポートがどの程度機能するかが未知数ですから、あまり大きな金額を突っ込まない方がいいでしょう。

新興国の高金利通貨は長期的には下落するので、スワップ目的での長期投資は割に合わないことが多いので注意してください。

新興国通貨は余剰資金の一部で勝負するようにしましょう。