ナンピン手法を行う場合に、最も適切な銘柄は、「一定の範囲内で上下する銘柄」です。
FXはレンジ相場が非常に多く、長い間一定の範囲内で動くため、ナンピン手法には最適でした。
但し、一度トレンドがつくと、大きく今までのレンジ範囲を超えていきますので、しっかりリスク管理を行わないと大きな損失を蒙ることになります。
もっと狭いレンジで動く銘柄は無いでしょうか?
今回は「一定の範囲内で上下する銘柄」の定義にぴったり合った、恐怖指数(VIX)でナンピン戦略を行う事は可能か考えてみます。
恐怖指数(VIX)とは
VIX指数とは、シカゴ・オプション取引所(CBOE)が、アメリカの株価指数である、「S&P500」を対象とするオプション取引の値動きを元に算出・公表しています。
VIX指数は、株価が急落する時に急上昇するために、投資家の恐怖心理を表すバロメータとして知られています。
VIX指数は上昇相場では低い値で推移し、経済的ショックなど何らかのネガティブな材料で、相場が急落した際に、指数が上昇するように設計されています。
平穏な時は低価格で推移しますが、平穏な時期は相場全体のおおよそ8割と言われていますので、大体は低価格帯にあり、経済的ショックの際には急騰しますが、すぐにまた低価格に戻ってきます。
VIX指数のグラフは下記の通りです。
平穏な時はおおよそ20以下と言われています。
株価が急落した場合は上昇しますが、大体すぐに下がっています。
最低価格は10程度、最高はリーマンショックの際の80程度です。
リーマンショックは特別と考えると、概ね10~40の間に収まっています。
非常にわかりやすい値動きになっています。
VIX指数の取引方法
これなら、安くなるたびに買い下がり、上がれば売ってしまえば儲かるのでは?と思います。
銘柄の特性上9以下には下がりにくいと考えると、非常に儲けやすいように思えます。
しかし、残念ながらそう簡単にはいきません。
VIX指数は、FXや株の様に永遠に買い持ちすることが出来ないからです。
VIX指数を直接取引する方法は、CFDにて取引することです。
CFDとは、差金決済取引のことで、FXの拡大版(為替だけでなく、株、株価指数、商品、債券なども取引対象とする)です。
このCFDですが、非常に便利なのですが日本ではあまり普及できず、一時流行ったものの今は縮小傾向にあります。
あまりにも銘柄が多すぎて、初心者にはなじめなかったからだと思います。
ブログ主は昔、インヴァスト証券のCFDにてVIXを取引していましたが、あっという間にサービスが終了してしまい途方にくれました。
結構儲かっていたからです。
残念ながら、他に良いサービスが無かったので、VIX取引は一旦止めています。
現在VIX指数を取引可能なCFD業者は、IG証券とGMOクリック証券くらいしかありません。
VIX指数をCFDにて取引する場合の戦略
CFDでのVIX指数には限月があります。
限月とは、先物取引やオプション取引などにおいて、取引の期限が決められており、その期限が満了する月のことです。
VIX指数も株価指数のオプションを元に算出されているので、期限が有ります。
よって、CFDで買い持ちしていても期限が来ると、一旦決済して次の限月に乗り換える必要があります。
これをロールオーバーと言います。
この売買の際にスプレッドや手数料などが掛かり、結構コストが掛かります。
GMOクリック証券では、自動的にロールオーバーしてくれる様ですが、月一回価格調整が発生します。
この価格調整分は買い持ちではほとんどマイナスで、やはり負担になります。
よって、安くなると買い下がる戦略は非常に難しいです(残念ですが)。
そこで私ブログ主がやっていた方法は、上がった時に売る戦法です。
VIXのチャートを見て頂きましたが、何か経済ショックが起こるとVIXは急上昇します。
しかし、しばらくすると指数が低下する傾向に有ります。
これを利用して、VIX指数が高騰した際に少しづつ売り上がる戦法です。
これなら短期決戦で、しかも天井もリーマンショックの80~90くらいを目安に売り上がればよいので、比較的利益が出しやすいです。
これを先ほどのGMOクリック証券で行う場合、月一回の価格調整は、売りではほとんどプラスなので逆に有利になります。
問題は、経済ショックが来るのがいつになるかわからない事です。
今年(2017年)は、全くチャンスが有りませんでしたね。
どうかご参考にしてください。