下がる相場で下落するたびに買っていくナンピン戦略ですが、これまではFXについて主に説明してきました。FXでは特にレンジ期間が長く、トレンドが発生してもすぐに終わってしまうことも多いのでナンピン戦略に適していると思います。
特にトラリピに代表されるナンピンシステムは、流動性が高く一定のレンジ相場を長い間形成するFXと非常に相性が良く、相場の予想をしなくても儲かることから、同じようなシステムが様々なFX会社で作られています。
現在では、多くの人が利用していることも有り、FXのナンピン手法は広く一般的になりつつあると思います。但し、これまで述べたようにリスク管理・資金管理を万全にしておかないと、いつか来る暴落相場で酷い目にあうことになります。
では、FX以外の投資対象でナンピン戦略を用いるのはどうなのでしょうか?
特に株で行うのはどうでしょうか?
株でもナンピン手法を紹介している投資本もあり、一定の成果は得られると思います。但し、FXと比較して一番の問題点は、「過去の最安値を底値に設定できない」、という点にあります。
どういうことかと言いますと、FXは通貨、特に先進国通貨では国の信用力が非常に高く、先進国通貨の価値が0(ゼロ)になることは有りえないという事です。つまり底値が必ずあるという事です。
また通貨ペアは国と国との貿易に非常に大きな影響を与えますので、そう大きくは動かない、また大きく動く場合はどちらかの国が介入に入るなど、常に一定の範囲になるように操作されています。
それに引き替え株式の場合は、一企業の信用だけですので、国の信用と比較し大きく劣ります。たとえトヨタのような大企業であっても、何らかの不祥事や業績によって、大きく株価が下げる場合があり得ます。
酷い場合には0(ゼロ)も有りえるのです。つまり底が見えないのです。あのJALでも株が紙くずになったのです。
なので、株で底値を設定してナンピンするのは非常に恐ろしいです。
もしやるとすれば、一つの銘柄に集中せずに、多くの銘柄に分散して行うならリスクを減らせます。また財務状態が良い会社を選び、一定の値幅を長期にわたって上下している銘柄を選ぶと良いでしょう。
しかし銘柄選定が面倒な場合は、株価指数(日経225など)でやれば良いと思います。先物やクリック株ならレバレッジも掛けられます。
先ほども述べましたが、株価指数なら0(ゼロ)になることはなく、底値を設定できるので問題なくナンピン戦略は可能と思います。
日経225なら先物も有りますし、クリック株でも可能でしょう。他にもNYダウなど外国の株価指数も有りですね。
他には商品先物(金や原油など)にも底が必ずあります。金の値段が0になることは無いでしょう。
もちろん、これらの銘柄も予想以上に下げてしまう場合があるかもしれません。その時のために十分な資金管理を行い、リスクを最小限に抑えることが重要だと思います。