相場が大きく下落した際、又は過去の最安値付近まで価格が下がっている場合は、ナンピン戦略では大きなリスクが無く利益が得やすくなります。
この様な傾向の銘柄を探し出すことで、大損する可能性を排除しながらコツコツと利益を上げることができます。
しかしここ数年は世界的な好景気に支えられて、株価は高値圏で推移し、為替もクロス円は大きく円安傾向(価格は高値)にあるため、ナンピン戦略を仕掛けるのは非常に難しい状況に有ります。
では全く手が出せないかと言いますと、そんなことは無く、探せば少ないながらもいくつか有望な銘柄を探すことができます。
今回検討するのは、現在過去最安値付近で動いているAUDNZDです。
AUDNZDはどのような要因で動くのか?
AUDNZDはオーストラリアドルとニュージーランドドルの通貨ペアです。オーストラリアとニュージーランドは地理的に非常に近くにあり、経済もかなりつながりが深いため、値動きはかなり似た動きになっています。
そのため、AUDNZDの値動きは小さく、またほぼ同じレンジで上下するのでナンピン戦略に非常に適しています。
そのようなAUDNZDが動く場合は、世界経済の影響によって動くというより、オーストラリアとニュージーランドの経済政策の違いによって動くことが多いです。中でも最も大きい影響を受けるのが、それぞれの国の政策金利です。

上図が2012年からのオーストラリアとニュージーランドの政策金利の推移と、AUDNZDの月足終値の比較グラフです。
2012年からオーストラリアの金利がどんどん引き下げられており、それにつられてAUDNZDもどんどん下がっていることがわかります。
しかし2015年頃からはニュージーランドの政策金利も下がり出したので、AUDNZDも1.05~1.15くらいのレンジ相場に変化したこともわかります。2017年以降は両国ともに金利に変化が有りませんので、完全なレンジ相場です。
ナンピン戦略にはもってこいの状況です。
AUDNZDでの戦略
AUDNZDは過去にパリティ(1.0)を割ったことが有りません。これはオーストラリアの方が経済的に強い状況が続いていることが原因です。無理に1.0に保っているわけではないので、1.0をもし割ったとしても大きく下落するとは思えません(まあ相場に絶対はないですが)。スイスフランショックが有りましたが、あれはスイスの中央銀行が無理やり買い支えていたのが原因ですので、AUDNZDでも同じことになるとは思えません。
よって買い下がる場合は1.0より少し下をめどに0.95とか、大きめに0.9とかをターゲットに資金管理を行って買い下がるのが良いでしょう。
ループイフダン注文も検討可能となった
買い下がる場合は手動で指値を入れる方法が普通ですが、昨年末(2018年末)からアイネット証券のループイフダンでAUDNZDが利用できるようになりました。
ループイフダン注文では、1000通貨単位から始められ、20pipsや40pips単位で自動で買い下がることができるので非常に楽に取引ができます。
手動でナンピン戦略を行う場合は下値で拾って、上がるのを待つだけですが、ループイフダンなどのトラリピ系シストレでは、決まった値幅で全自動で売買してくれるので、特に大きく上下する揉み合い相場で利益が出やすくなります。また完全にほったらかしで利益を上げてくれるので非常にありがたい機能です。
但し注意すべき点が有ります。それは、
1.現在(2019/3/28)スワップポイントがマイナスのため、長期に持つ場合マイナススワップが溜まり、決済時に利益がマイナスになる場合が有ること。
2.AUDNZDの値動きが小さいので、リスクは低いが、リターンも低い事。
などです。
ループイフダンの一番値幅の狭いB20でも、一日一回リピートする程度なので、良く動くクロス円と比較するとかなり物足りなく思えます。(その代わりリスクが低いのですが)
スワップについては時間がたつごとに変化しますので、プラスになる場合も有ります。この辺りはFX会社のWEBサイトを確認する必要が有ります。
現在、AUDNZDは1.04近辺ですので、今始めるのが良い感じです。
レンジの範囲は0.95から1.06程度と考えて、1.06を超えれば、全ポジション決済で終了するのが良いと思います。
オーストラリア経済に何かポジティブな出来事が有るなら、1.1まで引っ張るのもありかと思います。
中国経済の影響はあるか?
最近経済の低迷が目立つ中国経済ですが、オーストラリアは中国貿易での依存度が30%程度あり非常に大きいウェイトを占めています。なので中国経済にネガティブな状況が現れれば大きく下落する可能性が有ります。
ではその時にAUDNZDも下がるかと思いますが、実際に2015年のチャイナショックの時には、AUDNZDが大きく下がった事はありませんでした。これはニュージーランドも、貿易の20%程度を中国に依存しているので、同じように下落するからです。
ですので、AUDNZDが動くときは、あくまでも両国の経済や金融政策に影響を受ける比率が高いのではと考えられます。