今回から長年にわたって取り組んで来ました、システムトレードについて取り上げてみたいと思います。

FXを初めたものの、リーマンショックなどが原因で儲からない日々が続いた9年前にシステムトレードに出会いました。投資本で読んでいると、様々なテクニカル分析の通りにトレードをすると儲かる、と書いてあったので、ワクワクしながらEXCELを使って検証を始めました。

 

システムの検証を開始

 

最初に検証対象にしたのは、いつも取引をしているドル円です。売買は毎朝仕事に行く前にトレードすることを想定して、日足で検証を行いました。

利用したテクニカル分析は、移動平均・MACD・ストキャスティクス・パラボリックなど、思いつく限りのテクニカルを使って検証を行いました。

気合を入れてマクロも利用しましたし、最終的には最も儲かるパラメータの組み合わせを見つけるために、最適化ソフトを用いて、最適なパラメータを探索する作業も行いました。

会社にいる時も、時間を見つけてはEXCELシートをいじってシステムの作成を行う始末(おいおい)。

遂に何種類かシステムが完成しました!

過去のデータから導き出した最高のシステムです。きっと儲かるはずです。

 

しかし勝てなかった

 

結論はお分かりの通りです、勝てませんでした!

利用していたシステムの一つを紹介します。

これは短期と長期の単純移動平均線のゴールデンクロスで買い、デッドクロスで売る、という鉄板ルールです。移動平均の日数は、数値を変化させながら最も利益の出る日数を選びました。(青線が損益グラフです)

グラフを見ますと、凸凹はしていますが、間違いなく右肩上がりです。

その後の経過は上図の通り。

最初は上手くいっていたのですが、いつの間にか横ばいになり儲かりませんでした。

現在までやっても儲かっていません。

他の作成したシステムも同様に勝てず、ひどい場合には開始してすぐにドローダウンしました。

 

なぜ勝てないのか?

 

まずテクニカル分析ですが、裁量トレードでは移動平均線やMACDなどを利用して、儲けておられる方は存在します。

しかしその場合は、過去の経験を生かしファンダメンタルも考慮して、勝てそうにない場合にはトレードしない、損切りを状況に応じて行うなど、都度自分で適切な処置を行っています。

対して、システムトレードの場合は、馬鹿正直にルール通りに売買を行うので、そのルールに合わない相場ではがっつりやられ、儲けた時の利益を飛ばしてしまっています。

また、過去のデータに最適化しているため、常に変化する新しい相場の値動きに全く対応できていないのです。

 

反省点

 

このシステム作りと運用は2年程度行いましたが、テクニカルでは勝てない、と言う結論に至りました。

その結論に達するまでの間、様々な投資本を読み、色々なテクニカル分析を試してみました。新しいテクニカル手法を見つけては、喜んで検証してみるのですが、全くダメでした。

テクニカル分析は、一見相場の未来を見通せる、素晴らしいツールだと思いがちですが、実際には過去の四本値を加工したものに過ぎません。

これはどんな複雑なテクニカル分析でも同じです。結局すべて四本値から作成されているので、単純でも複雑でも、未来を予測することは不可能なのです。

それにパラメータを必死に変えたとしても、ほとんど意味がありません。

相場は多くの人の思惑で動いています。その多くの人が参考にしていない、パラメータを最適化したテクニカル分析など使っても、儲けることなど出来ないのです。

残念ですが他の方法を探しましょう。