システムトレードでは、単純なルールで作られたシステムしか未来の相場における再現性は無い、とご説明しました。
複雑なルールとは、テクニカル分析をいくつも組み合したり、難しい理論に基づいて複雑なテクニカル分析を考案して利用したりする方法等を言います。
パラメータを変えることで最適化を行い、過去の相場にフィットさせた損益曲線は、素晴らしい利益を上げたように見せてくれますが、残念ながら未来の利益を保証してくれません。
今回は、FXでも人気のドル円の日足を例に挙げて、ドル円の日足で長期にわたって利益を上げられる可能性の高い単純なトレードルールを探してみましたので紹介します。
但し、以前にも述べましたが、FXはランダム性が強い相場ですので、今回ご紹介するトレードルールも、それほど成績は良くなく、今後の再現性の面でも期待はあまりできないと思います。
参考程度にご覧ください。
単純なルールによるドル円日足のシステムトレード結果
色々なルールを考えて数多く検証してみましたが、やはりFXの日足で機能するシステムの作成は非常に難しいです。
そんな中、以下のルールはまだ長期に渡って機能しているものと思います。
ルールは下記の通りです。
・売買ルール:二日間上昇すれば売り、二日間下落すれば買い
・売買タイミング:NY終値で判定
・対象銘柄:ドル円 日足
以上です。
良くある陰線陽線でのパターン分析によるルールです。非常にシンプルですので最適化の余地もありません。
二日も一定方向に動けば、逆に動くだろうとの予測で売買を行います。
この結果が下記の通りです。
1999年から2017年半ばまでの損益累積曲線です。
19年近くに渡って、おおよそ右肩上がりになっています。
このシステム結果を評価してみます。
・勝率:52.8%
・PR:0.98
・PF:1.09
・シャープレシオ:0.022
・MAXドローダウン:-19万円(1万通貨単位での売買)
現在の利益が50万円程度(1万通貨あたり)ですので、年間利益の期待値は2.6万円程度となります。
MAXドローダウンの割に利益がしょぼいですね。シャープレシオも0.1を遥かに下回っています。PFも1をわずかに超えただけで、大した利益は望めません。
FXの日足でのトレードは、せいぜい頑張ってもこの程度が限界になります。
検討するだけ無駄なような気がします。
幾つかシステムを探してポートフォリオを組めば、とも考えてやってみたことも有りますが、ほとんど期待できるものは出来ませんでした。
週足でのルールの方がまだましなものが出来ると思いますが、こちらも経験的にはそれほど良いものは出来ないでしょう。
FXではこの程度の利益しか出せませんでしたが、他の銘柄ならこのパターン分析による売買はかなり効果を発揮します。
こちらはまた別にご紹介したいと思います。
FXで再現性のあるトレードルールを確立するなら日足や週足ではなく、時間足や分足で探したほうが長期的に優位性のあるルールを見つけやすいとは思います。
その場合は手動での売買は不可能ですので、MT4などを利用した自動売買の領域に踏み込む必要がありますので、初心者やプログラムが苦手な人には難しいかと思います。
それを考えますと、トラリピやループイフダンなどのナンピン手法の自動売買の方が、ロジックが簡単明瞭で利益を出しやすいのではと思います。
但し、資金管理が重要になってきますが・・・。