お盆になると多くの会社がお盆休みに入り、レジャーに出かけたり、実家に帰ってのんびり過ごす人が多いですよね。

お盆休みには暑い日が続きますので、レジャーの際にも実家に帰った時でも、海で泳ぐ機会があるかもしれません。

しかしお盆期間に海で泳ぐのは良くないと昔から言われています。子供のころに、おじいちゃんやおばあちゃんから、お盆には海で泳ぐなと言われた記憶はないでしょうか?

お盆の海は危険で泳ぐのはだめなのは本当なのでしょうか?お盆の海にはいつもと違う危険があるのでしょうか?

また言い伝えでは、お盆に海に入っていると、よく足を引っ張られるので入ってはいけないと言われたりしますがこれは迷信なのでしょうか?

お盆に海で泳ぐことの危険性とその対策などを、気になるので調べてみました。

 

 

 



お盆の海は危険で泳ぐのはだめは本当?

お盆の海で泳ぐのは本当に危険なのでしょうか?確かにお盆の季節は海での水難事故のニュースが大変多いです。

これはお盆の海には多くの危険が潜んでおり、お盆に海で泳ぐと実際に危険な目に遭う可能性が高くなるからです。

お盆の海で泳ぐことの危険性には、主に次の3つが挙げられます。

  1. クラゲに刺される危険が高い
  2. 土用波にさらわれる危険が高い
  3. 離岸流によって流される危険がある

これらは命にかかわることも多いので十分な注意が必要です。

それぞれの危険についてご紹介いたします。

 



お盆の海はクラゲがいるので危険?

お盆の海で最も危険なのはクラゲによる被害でしょう。

特にアンドンクラゲによる被害がお盆の海水浴場では多くなります。

アンドンクラゲは傘の大きさが3cm程度と小さく透明で見難いですが、刺されると大変痛いので「電気クラゲ」とも呼ばれています。

 

ではなぜアンドンクラゲはお盆になると出現するのでしょうか?

exciteニュースによると、サンシャイン国際水族館の大塚さんがアンドンクラゲについて次のように説明されています。

「『お盆の後の海にはクラゲが出る』というのは、アンドンクラゲをさしていることが多いようです。特に西日本では、お盆以降に多くの海水浴場がこのクラゲの多数出現により、閉鎖されるそうですよ」


アンドンクラゲは、強い毒をもっており、西日本では「電気クラゲ」とか「イラ」などと呼ばれているものだとか。本当にお盆後の海に、クラゲ、出るんですね……。


「ただし、アンドンクラゲは6月下旬くらいから、イソギンチャクのような状態の『ポリプ』から遊離して、9月までの3カ月で最大サイズまで成長するといわれています。つまり、お盆前にも成長しきっていない小さなアンドンクラゲは存在してるんですよ」

(引用元:exciteニュース https://www.excite.co.jp/news/article/00091155859504/)

お盆に多くの被害を出すアンドンクラゲですが、6月下旬ごろからすでに発生しているようです。

しかし、6月ごろはまだ小さいため人を刺すことが出来ず、ちょうどお盆の頃に成長し人を刺すようになります。

そのため、お盆の時期にはクラゲに多くの人が刺されるので、お盆の海で泳ぐのは危険だと言われるのです。

どうしてもお盆以降に海で泳ぐ場合には、対策としてラッシュガードを着るなど、クラゲから肌を守る工夫をしましょう。

 



お盆の海では土用波にさらわれる危険がある?

気象サービスによると、次の説明のように、土用波とは台風により発生する大きな波のことです。

台風のように広い範囲で非常に強い風が吹いている所では、10メートルを超えるような高い波が立ち、猛烈にしけています。台風が日本から遠く離れていても、この波は、日本の沿岸に「うねり」となって打ち寄せます。これが「土用波」の正体です。

(引用元:(株)気象サービス http://www.weather-service.co.jp/topic/3676/)

特に8月は台風の発生個数や日本への上陸数が多いので波が高くなる傾向があり、波が高いと海で泳ぐのは大変危険です。

台風が日本から少し離れていて海水浴場では天気でも、大きな波が海岸まで打ち寄せるので、特に台風の接近中は注意が必要です。

気象庁の公式サイトより、月ごとの台風の発生個数と日本への上陸数(1951年~2018年の合計)をグラフにしてみました。

(引用元:気象庁公式サイト https://www.data.jma.go.jp/fcd/yoho/typhoon/statistics/generation/generation.html)

 

グラフからわかるように8・9月は台風の発生が多く、しかも日本への上陸数も多いです。

これは8・9月は台風の発生が多いうえに、台風が日本の近海を通るので、お盆以降は台風の影響で波が高くなる傾向があることを示しています。

海水浴をする場合は天気予報(特に台風情報)に十分に注意し、波の高い日は海で泳ぐことは止めるなど対策をしましょう。

 



お盆の海は離岸流が発生するので危険?

海上保安本部の公式サイトより、離岸流とは海岸に打ち寄せた波が沖に戻ろうとする時に発生する強い流れのことです。

この離岸流はお盆に限らずいつでも発生する流れですが、波が高いほど強い離岸流が発生しやすいです。特に台風が発生しやすい8月以降は強い離岸流が発生しやすいので注意が必要です。

次の図は離岸流の模式図です。

(引用元:海上保安本部公式サイト https://www1.kaiho.mlit.go.jp/KAN9/ripcurrent/ripcurrent.htm)

 

岸から非常に強い速さで沖に向かって流れていくので、あっという間に沖に流されてしまいます。

風が強く波が高い時には、特に注意が必要です。

対策としましては、

  • 波の高い日は泳がない
  • 遊泳禁止区域では泳がない
  • 子供から目を離さない

など、十分に気をつけましょう。

 

以上の危険性(特に土用波や離岸流)はお盆期間以外でも起こりえますので、お盆期間でないからと油断しないようにしましょう。

 



お盆の海は足を引っ張られるので入ってはいけないは迷信?

お盆は、ご先祖様を迎え見送る行事で、お墓参りをすることも多いでしょう。

また、お盆の期間は海には水難事故で亡くなった方が集まってくるので、海で泳いでいると足を引っ張られてあの世へ連れていかれるなど、怖い話もあります。

お盆期間は、多くの台風が発生し日本に近づく時期です。

台風が近づくと土用波や離岸流などの危険が高まります。またクラゲに刺されるなどの危険もあります。

昔の人は流されたりクラゲに刺されたりする危険を経験から学んで、危険なお盆期間に海で泳がないようにと戒めるために、足を引っ張られるなどの話をしているのでしょう。

特に離岸流により沖に引っ張られるなどは、霊によって海に引きずり込まれることと似ていますよね。

昔の人は海の危険を知っていたのでしょう。

「お盆の海は足を引っ張られるので入ってはいけない」は経験から導かれた生きていく知恵であり、迷信とは言えないのではないでしょうか。

 

お盆の海は危険で泳ぐのはだめ、足を引っ張られるので入ってはいけないなど、昔から言われていることは、迷信ではなく言われる理由があるのですね。

昔の人は科学的な裏付けがなくても、経験から危険なことを感じ、子孫へと伝えるために怖い話を作って教えていたのでしょう。

昔の迷信も時には信じることも大事ですね。

 

この記事がお役に立ちましたら幸いです。