今年は参議院選挙が夏に行われます。

参議院選挙については、別途記事に書きましたので宜しければご確認ください。

しかし、国会の進捗によっては衆参同時選挙もあるかも、などと言われています。

衆議院と参議院が同時に選挙して大丈夫なのかと疑問もわきます。

そんな衆議院と参議院、いったい何がどう違うのでしょうか?

衆議院と参議院を比較しながらその違いを簡単にまとめます。

 

 



衆議院と参議院を簡単に比較!

衆議院と参議院の違いは下の表のとおりです。

衆議院参議院
任期:議員である期限4年6年
解散:ありの場合は任期前に選挙の可能性ありありなし
選挙の方法選挙毎に全ての議席を選挙で選ぶ3年毎に半数の議席づつ選挙で選ぶ
被選挙権:立候補できる年齢や資格25歳以上の日本国民30歳以上の日本国民
定数:議会の人数465人現在242人
(2019年夏の選挙で245人に増える)
選挙制度小選挙区選挙と比例代表選挙を同時に行う選挙区選挙と比例代表選挙を同時に行う
選挙権:これは同じです18歳以上の日本国民 18歳以上の日本国民
内閣不信任決議ありなし
特徴任期が短いため、国民の意見を反映しやすい

選挙区が小さいので、地元の有力者が当選しやすい

衆議院の優越がある
解散が無く、任期が長い

選挙区が大きいので有名人が当選しやすい

衆議院の大きな特徴は解散があることです。

衆議院では任期前でも解散が有れば選挙になります。

対して参議院は解散が有りません。

衆議院は参議院よりも頻繁に入れ替わるので、国民の声を反映しやすい特徴があります。

また選挙区は、衆議院は狭く、参議院は広いです。

ですので参議院は知名度が高い人ほど当選しやすく、逆に衆議院はより地元密着型の選挙制度となります。

 



衆議院には「衆議院の優越」がある。

衆議院と参議院の2つがあることを「二院制」と呼んでいます。

しかし2つあると両方が対立した場合、議論が前に進まなくなります。

衆議院と参議院が対立した場合、衆議院には「衆議院の優越」があり、参議院で否決されても、衆議院のみで可決する事が出来ます。

衆議院のみで議決できる項目は次の通りです。

法律案の議決

「法律案」とは、法律として成立させるための原案・法案のことです。

「法律案」が参議院で否決されるか、60日以内に参議院で議決されない場合は、再度衆議院の出席議員の3分の2以上が賛成すれば法律とする事が出来ます。

予算案の議決

予算とは、一定期間の国の活動に必要な収入・支出を計画しまとめたものです。

予算案が国会で承認されないと、お金が無くて国の活動が停止します。

ですので、予算案が30日以内に参議院で議決されなければ、衆議院の議決で予算は通ります。

条約の締結の承認

条約とは国家間の合意です。つまり国と国との約束です。

条約は国際法に基づいて成立する国際的合意であり、国内の法律よりも優先されます。

国と国との約束なので、国内の事情でそれを破ることは許されないです。

条約についても予算案と同じで、30日以内に参議院で議決されなければ、衆議院の議決で条約の締結は承認されます。

内閣総理大臣の指名

内閣総理大臣を決める場合に、衆議院と参議院の意見が一致しない場合、衆議院の議決が優先されます。

衆議院の優越がないものは?

衆議院の優越に当てはまらないものもあります。

それが「憲法改正の発議」です。

「憲法改正の発議」では、衆議院と参議院ともに総議員の3分の2以上の賛成が必要です。

「憲法改正の発議」では、衆議院の優越は認められていません。

 



議会が2つある理由

  • 衆議院が選挙中でも参議院があるため、万が一の時でも参議院議員が対応することが可能。
  • 衆参同時選挙でも、参議院の半分は選挙を行わないので、万一の事態に対応できる。
  • 衆議院でもし問題がある法案が出されても、参議院でチェックする事が出来る。⇒国の重要事項を慎重に審議できる

特に3番目が重要で、選挙で政権が交代した際に、新しい与党が以前の法案をすべて変えてしまうと国が大混乱になります。それを防ぐために二院制となっています。

 



議会が2つある場合の問題点

衆議院の優越の個所で、衆議院の決定が参議院の決定よりも優先されることを説明しましたが、とは言え参議院に力が無いわけではありません。

「衆議院の優越」の部分を見て頂きますと、「参議院が否決するか、60日が過ぎれば法案は衆議院で可決できる」とありますが、参議院で否決もされず60日間引き延ばされれば、国会の会期(日程)が無くなり、多くの法案が通らなくなります。

これが俗に言う「ねじれ国会」の問題点でもあり、スムーズに国会運営ができなくなるので、参議院を軽視できないのです。

まあ、逆に与党の暴走を防げるという意見もありますので、問題ばかりではないのです。

 

以上、衆議院と参議委の違いを書いてみましたが、ご理解いただけたでしょうか?

違いをしっかりと理解して、選挙に臨むようにしましょう。

この記事が参考になれば幸いです。