今年は参議院選挙が行われます。これと同時に衆議院も解散が行われるのではないかとニュースで取り上げられています。
衆議院が解散されると選挙になりますので、参議院と衆議院の同時選挙となり、結果によっては政治が大きく変わる可能性もあります。
では衆議院の解散とは何なのでしょうか?
どの様な条件で、どの様な手順で行われるのか、簡単にわかりやすく解説してみたいと思います。
衆議院の解散とは何か?目的は?
衆議院解散の目的は、
国民に政権が進める政策の良し悪しを判断してもらう
というものです。
よくニュースで「国民の信を問う!」など耳にした事が有ると思います。
重要な政策を行う際に、国民に是非を問い、選挙に勝つことで、その政策を進めることについて国民の承諾を得たと判断できるからです。
政治家が自分たちだけの判断で、この政策を推進するわけではない。国民が認めてくれたので推進するのだと、はっきりと言うことが出来ます。
その結果、反対する人々を納得させ、重要な政策をスムーズに進める事が出来るようになります。
昔、小泉首相が「郵政民営化について、国民に信を問う!」として選挙を行い勝つことで、郵政民営化を進める事が出来るようになったのがこの一例になります。
日本は民主主義の国ですので、国民の意見を反映させることが重要です。
国民の意見を尋ねる行為が選挙になります。
この時、衆議院議員は全員クビになる(参議院は半数ずつ選挙)ので、衆議院選挙の場合は、
総選挙
と呼ばれています。
衆議院解散の条件とは?
衆議院が解散される条件は、
- 衆議院で内閣不信任案が可決されたとき
内閣のやり方はダメなのでやめてください、という意見に衆議院が賛成した場合に解散が行われます。 - 衆議院で内閣信任案が否決されたとき
内閣のやり方は正しいのでこのまま続けてください、という意見に衆議院が反対した場合に解散が行われます。 - 内閣(実際は内閣総理大臣)が解散を決めたとき
内閣が閣議で解散を決定します。この場合大臣全員の賛成が必要ですが、反対した大臣がいた場合は、総理大臣がその大臣を罷免し、総理大臣自身が兼務して賛成をすれば問題ないので、実質は総理大臣1人で解散を決める事が出来ます。
の3つです。
ちなみに衆議院は任期満了(4年)でも総選挙が行われますが、任期満了に伴う総選挙は、戦後1回のみ(1976年の総選挙)です。
その他の総選挙はすべて任期途中での解散によるものです。
1と2の場合、内閣は解散ではなく「内閣総辞職」を行うこともできます。「内閣総辞職」は内閣が自分たちの間違いを認める事で、内閣全員が辞めることになります。この場合は解散が行われず、新しい総理大臣を選び直すことになります。
衆議院解散後の手順は?
- 衆議院を解散
- 解散から40日以内に衆議院議員の総選挙を行う
- 選挙終了後、30日以内に特別国会を召集
- 内閣総辞職
- 新たに選出された衆議院議員で、新しい内閣総理大臣を選ぶ
- 内閣総理大臣が各大臣を選出し内閣を発足する
こうして、新しく選ばれた衆議院議員と内閣で、政治が行われることになります。
衆議院は任期が4年と短いうえに、任期前に解散が行われるので、更に短い任期の中で政治を行っていきます。
このことから、衆議院は参議院と比較し、その時の世論の意見を十分に反映しているとみなされているので、衆議院の方が参議院よりも重きを置かれているのです(衆議院の優越が憲法に規定されている)。
衆議院と参議院の違いにつきましては、以前記事にしていますので、よろしければご確認ください。
以上、衆議院の解散について簡単にまとめてみました。
ご理解いただけたでしょうか。
この記事がお役に立てましたら幸いです。