英国王のスピーチは2010年(日本では2011年)に公開された歴史映画です。

時は第二次世界大戦前のイギリスで、イギリス国王となったジョージ6世が、子供の頃から悩まされていた吃音をオーストラリア出身の言語療法士と共に治療を行うという物語になっています。

ところで、ジョージ6世が吃音だったのは実話なのでしょうか?

また映画の時代背景と映画の後半で感動的に演説されたスピーチ内容はどのようなものだったのでしょうか?

 

 



英国王のスピーチは実話なのか?

映画「英国王のスピーチ」は、第83回アカデミー賞で作品賞など4部門を受賞した作品です。

 
 
 
 
 
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この映画では、英国王のジョージ6世(現在のイギリス女王のエリザベス2世の父)が言語療法士のライオネル・ローグと共に、 子供の頃からの吃音を治す過程をドラマにしています。

ジョージ6世が吃音症であったのは事実です。VeVo作成のドキュメンタリー「実録“英国王のスピーチ”」でも実際のジョージ6世の演説シーンが収められています。

(引用元:ドキュメンタリー選「実録“英国王のスピーチ”」 -VeVo-
https://www.youtube.com/watch?v=4pLyuG9B3U0)

 



ライオネル・ローグの治療を受ける前のジョージ6世のスピーチは、途切れる事が多く聞き取りにくいものでした。

しかしライオネル・ローグの治療を受けた後のジョージ6世は、国王の戴冠式で見事にスピーチを成功させています。

しかしこの戴冠式でのスピーチの後もジョージ6世は数多くのスピーチをしなければならず、スピーチの度に神経をすり減らしていたようです。

やはり吃音症はそう簡単には治らずに、ライオネル・ローグの治療を受けながら、スピーチの度に努力を重ねていました。

そしてライオネル・ローグの治療を受けはじめて12年、映画のラストシーンにもありますが、イギリス国王のジョージ6世が1937年9月3日にドイツに宣戦布告するに当たり、英国民を勇気づける演説を行い、これを成功させています。

 

↓ちなみにジョージ6世(写真左側)、ライオネル・ローグ(写真右側)は二人ともイケメンでした。

 

映画ではもっとイケメン俳優を使っても良かったかも(すみません!)。

こういう事実も知りながら映画を見るともっと楽しくなりますね。

 



英国王のスピーチの時代背景!

映画の時代背景ですが、当時は第二次世界大戦前のヨーロッパでラジオ放送やレコードによる記録や再生技術が発達していった頃の話です。

ラジオ放送は、1900年に元エジソンの会社の技師である、カナダ生まれの電気技術者レジナルド・フェッセンデンの無線電話の成功によって始まりました。

1920年代には主要各国でラジオ放送が開始され、日本でも1925年にラジオ放送が開始されています。

今までは、集まった眼の前の聴衆にのみにしか演説できなかったものが、全国民を前にライブで演説することが可能になりました。

映画でのジョージ6世のように内気で話し下手な人には辛い時代の到来ですが、一方でナチス・ドイツではゲッペルス宣伝大臣が低価格なラジオを生産し普及させるとともに大いにプロパガンダに活用しました。

 

↓「ゲッペルスの口」と呼ばれた、普及モデルの国民ラジオDKE38

 

(引用元:Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/ラジオ)

(引用元:Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/国民ラジオ)

 



英国王のスピーチでのスピーチ内容を紹介!

1939年9月3日にイギリスはドイツに宣戦布告をします。イギリス国民の不安を鎮め、結束を高めるために、ジョージ6世はラジオ放送にて演説を行います。

映画のクライマックスですね。そのスピーチ内容が次のとおりです。

(英語を日本語訳していますので、映画の日本語翻訳と若干違いがあるかもしれませんがご了承ください)

危機的な今、イギリス史上最大の国難のとき、帝国臣民、すべての人々に、私からこのメッセージを伝えます。

それぞれの家庭を訪ねて直接お会いしているかのように、一人一人に深い思いを抱きながら話しかけています。

自らにもです。

多くの人にとって2度めの経験になります、私達は2度めの戦時下になります。

何度も何度もあきらめずに平和的な道を見つけるために努力してきました。私達と相手国について、彼らは今や我々の敵となりました。

私達の努力は無駄になりました。

私達は戦うことを余儀なくされ、違った主義の国家からの挑戦を受ける事になりました。

もし彼らが勝てば世界秩序が危機に陥ります。そのようなことになれば本質はただ単に力だけが正しいという原始的なものになります。

私達にとって大切なものを守るために、私達は受けて立ちます。

この高潔な目的のために国内の我ら国民や海外にいる我が国民すべての国民に大義を抱いてほしい。

そして冷静に毅然と団結してほしい。試練の道を乗り切ろう、困難な道だが暗黒の日々が待っているかもしれないが、戦争はもはや戦場だけではない。

我々は正しいことのために正義を行う。そして敬虔な心で我々の大義を神に捧げよう。

もし皆が心を一つに大義に忠誠を誓い続けるのなら、そのときには神の御力によって私達は勝利するでしょう。

(引用元:「英国王のスピーチ」© 2010 See-Saw Films. All rights reserved.)

 

イギリス国王による力強いメッセージとなっています。スピーチは大成功に終わっています。

その後、イギリスはドイツの猛攻に耐えて、アメリカなどの連合国の一員として第二次世界大戦に勝利します。

 

 

今回は、映画「英国王のスピーチ」で描かれた、ジョージ6世の吃音が本当かどうか確認しました。

実際に、ジョージ6世は吃音で苦労されたようですね。

またその時代背景では、ラジオ放送が急速に発達した事がありました。

その中でジョージ6世は、ライオネル・ローグの指導もあり、見事にスピーチを成功させています。

なかなか感動の映画でしたね。

 

この記事がお役に立ちましたら幸いです。